レザークラフトとはどんな趣味?誰でもできる?費用は?場所の制約は?
始めてみようにも、こんな風に分からないことも多いと思います。
この記事は、レザークラフトの概要や、良くある疑問や悩みの解決に向けて書きました。
これからレザークラフトを始めたい、知っていきたいという人の参考になればと思います。
筆者「さんせー」は、マンション住まいの中、趣味の範囲でレザークラフトを始めました。
その後、革小物の製造・販売で独立し、レザークラフトを生活の軸としています。
こんな経歴なので、良くある懸念や注意点、苦悩したことなども一通り味わってきました。
例えば、アパート・マンションでレザークラフトをする時の音の心配や対処法などですね。
こういった問題は解決できるので、レザークラフトは安心して始めることができますよ!
レザークラフトとは?
レザークラフトとは、動物の革を使って財布などの小物や、バッグ、靴などを作る工芸です。
※革は食肉の副産物。余った皮を「革」に加工した最古のエコ素材です。
革で作られた物は丈夫で、高級感が光ります。
製作には、レザークラフト専用の道具を使います。
持っているだけで「格好良い!」と思えるものばかりではないでしょうか。
と、色々並べてはみましたが、全ての道具が絶対に必要な訳ではありません。
また、専用の道具と言っても、昨今では安価な道具も色々出てきています。
2022年くらいから、100円ショップでもレザークラフト用の道具が売られている。
作った物は、自分で使っても良し!プレゼントしても良し!フリマで販売しても良し!
と、実用性に加えて収益性もある素敵な趣味となることでしょう。
レザークラフトは、今とても注目が集まっている人気の趣味と言えます。
もし、レザークラフトを一度もやったことが無くても大丈夫です。
当ブログ「こばなび」は、レザークラフト未経験者が初級⇒中級とステップアップ出来るように、様々な技術や情報をお伝えしています。
道具の揃え方から、革小物の作り方を紹介する記事もあります。ぜひご参考ください。
レザークラフトでの製作の流れ
レザークラフトの基本となる製作手順はこちら。
レザークラフトの制作手順
- 型紙づくり
- 革の裁断
- 革の裏側を磨く
- 接着する
- 縫い穴を開ける
- 縫う
- 仕上げ
各工程の詳しいやり方などを、関連記事として載せておきます。
興味を持ったものは、ぜひのぞいて見てくださいね。
①型紙づくり
最初は型紙づくりです。1mm位の厚さの紙を用いて型紙を作ります。
この型紙に沿って線を引くことで、革を切る位置を決めることが出来ます。
②革の裁断
革を切る時は、革包丁やカッター、小回りの利くデザインナイフなどを用います。
全部揃える必要はなく、まずは100均のカッターだけでも充分ものづくりは出来ます。
③革の裏側を磨く
革の裏側のことを「床面(とこめん)」と呼びます。
写真のトコノールなどを使って、スリッカーと呼ばれる木の道具を使って磨きます。
磨くことで、見栄えのUPや汚れの付着を抑えることが出来ます。
手順としてはスキップ可能な工程です。
④接着する
接着には、サイビノールのような革専用の接着剤を使うのが一般的です。
接着剤を使って貼り付けた後です。
この後、更に丈夫にするために縫い作業を行います。
実は革製品や革靴は、意外と接着剤で貼り付けされている部分があるんですよね。
理由はもちろん丈夫になることと、製作過程で必要になるからです。
⑤縫い穴を開ける
縫うために、菱目打ち(ひしめうち)という道具を使って革に穴を開けます。
布よりも厚みのある革は、針を刺しただけでは貫通しません。
なので、事前に菱目を開けて上げる必要があります。
写真で見る通り、菱目打ちを木づち等のハンマーで打ち付けて穴を開けるのですが、この時結構な音と振動があります。
集合住宅などで周りへの音が気になる方は、記事後半の「騒音の対策は必要」をご覧ください。
⑥縫う
前手順で開けた穴に、針と糸を通して縫い進めます。
ちなみに、レザークラフトの針は「針」と言いつつも先端は尖っていません。
縫う前に穴を開けるのが前提なので、尖らせる必要が無いんですね。
⑦仕上げ
仕上げにコバと呼ばれる革の断面を磨いたり、必要なら金具を付けたりします。
写真ではバネホックボタンを取り付けてみました。
これで完成となります。
レザークラフトは、この作り方さえ分かってしまえば色々な物が作れますよ。
以下の記事では、それぞれの工程について、もう少し詳しく紹介しています。
『力』が弱くてもレザークラフトはできる
レザークラフトの手順を見た感想はいかがでしょう?
なんだか難しい印象を持たれがちなレザークラフトですが、意外とハードルは低いです。
結論を言うと、レザークラフトに特別『力』は要りません。
「革は丈夫だから切るのに『力』が必要そう」とか、そんな風に感じられる方が多いです。
また、レザークラフトを少し勉強すると、穴を開けたり金具を付けたりといった作業でハンマーを打ち付けることが多く、なんとなく『力』が必要に思えるのかもしれません。
ハンマーの叩き方
× ガッツンガッツン
◎ コツコツ or カンカン
要は、力いっぱい叩かなくても、穴は開きますし金具も付けられます。
それでも心配な場合は、ハンディプレスを使う手もあります。
ハンマーを使う各作業を、レバーを倒すだけで終わらせることが出来ます。
実は、記事後半で紹介する騒音対策にも最適です。
裁断についても同様です。
確かに布を切るよりは革を切る方が難しいでしょう。
でも、革の加工に特化した道具・工具を使って切るので、使い方が分かれば問題ありません。
よって、『力』が弱いからレザークラフトは出来ないということもありません。
私も比較的細身だと思いますが、レザークラフトをしてて『もっと力があれば・・・!』と思ったことは、おそらく一度もありません。
(道具の手入れや正しい使い方を知らず、力の入れ過ぎでのミスは何度もあります。笑)
『器用』じゃなくてもレザークラフトはできる
こちらも良く受ける質問の一つです。
「器用じゃないと、そもそも作品の組み立てが出来ないのでは?」という先入観を持たれがちです。
それはできれば器用な方が良いです。
でも、器用さは作業スピードや作品のクオリティに影響するものです。
だから器用じゃなくても、レザークラフトでお財布やキーケースは作れるんですよ。
当ブログ「こばなび」では、未経験者でも作れる革小物の無料型紙を公開しています。
誰でも作れるように、作り方も細かく記事にしていますので、ぜひご参考ください。
キーケース・コインケース ,etc.
余談ですが、私は学校の図工の授業は好きでしたが、レザークラフトを始めるまでの20年は手芸の類は一切してきませんでした。
もともと細かい作業が得意という訳でもなかったと思います。
でもそういう背景もあってなのか、段々うまくなっていく実感が逐一あって、レザークラフトを始めたばかりの頃でもすごく楽しめていました。
というわけで、器用さは後でついて来るものですから大丈夫です。
また、道具や作業を工夫したりすることで、最初からクオリティを上げることも可能ですよ。
最初は簡単な『キット』がおすすめ!
まずは手軽に始めてみたいという人にはレザークラフト用のキットがおすすめです。
キットとは、既に革の裁断などが済んでいて、誰でも綺麗な作品を作れる優れものです。
このように、必要な道具がセットになっている初心者道具セットもあります。
自分で革素材や道具を選ぶのも楽しいのですが、どれを使うか決めるまでに時間は掛かります。
「とにかく早くやってみたい!」という方に、上記のようなキットはピッタリですよ。
コスパ良く道具を選びたい場合は、以下の記事をご参考くださいね。
また、買いやすくて定番の『A4サイズの革』はこちらからチェックできます。
上記の「レザークラフトぱれっと」さんは、レザークラフト業界で有名なお店です。
工具も売っているので、色々見てみると種類や相場の勉強になるかと思います。
レザークラフトは場所を選ぶ?
この疑問や悩みも良く聞きます。
『マンションや、アパートのような集合住宅でも出来るのか?』という疑問です。
騒音の対策は必要
先程、縫い穴(ひしめ)を開ける時に、菱目打ちをハンマーで打ち付けましたね。
このひしめ打ちを叩く音と、その時の振動がけっこう響きます。
対策しないと、ご近所トラブルになるレベルかと思います。
でも対処法は色々あるので大丈夫です。ご自身にあった方法を採用しましょう。
音対策
- ひしギリを使う
- 防音グッズを使う
- ハンディプレスを使う
- 防音シートを敷く
先程紹介したハンディプレスを使うのが一般的な騒音対策です。
また、ひしめを開けるのにひしギリを使うという方法もあります。
ひしギリを使うのは技術が必要ですが、一本1,000円未満と導入費が安いのが魅力です。
他にも防音シートを作業台に敷いたり、大理石を使った防音対策などもありますが、それはまた別の記事で紹介していきたいと思います。
出来れば臭気の対策も
レザークラフトでは、接着剤やコバ磨き剤などの薬剤も使用します。
使用する薬剤によっては臭いがキツイ物もあるので、周りや家族に気を配ると良いでしょう。
レザークラフト用で、臭気を抑えた(無臭)の接着剤などもあります。
レザークラフトの魅力とは?
「レザークラフト楽しい!」と感じる時は、どんな時でしょうか。
私の主観も入りますが、レザークラフトの魅力はこんな感じだと思います。
作品が出来上がった時のの達成感
革製品は、一つ一つ時間を掛けて成形し、磨き上げて作っていくものです。
例えば、お財布などは1日掛けて作ったりします。
だからこそ、作品が出来上がった時の喜びや達成感が凄いのです。
がんばって登山して山頂に着いた時の感覚に近いかもしれませんね。
作品の使い道がたくさんある
お財布やキーケースなど、自分で作った物を日常で使える喜びもあります。
なんでも革で作れるので、家の細かい物がドンドン革化し、お洒落になっていきますよ。
また、ちょっとした物でもプレゼントすると喜んでもらえるので、とてもやりがいあります。
趣味を言う時に驚いてもらえる
これが地味に嬉しかったりします。笑
趣味が無い頃の私は「う~ん・・・映画鑑賞?」とかって適当に答えるしかなかったですからね。。
レザークラフトの技法ってあまり知られていないので「コレどうやって作ったの?」とか、興味を持ってくれること間違いなしです。
【まとめ】レザークラフトやってみよう!
これからレザークラフトを始める方に向け、レザークラフトの概要をお伝えしてきました。
騒音や臭いなど、対策が必要なこともありましたが、出来ない理由というのは一つも無かったのではないでしょうか。
レザークラフトまとめ
- 伝統的工芸
- 高級感のある物を作れる
- 実用性のある物を作れる
- やりがい・魅力を感じれる
- 音も臭いも解決できる
- まずはキットがおすすめ
まずは、自分が本当にレザークラフトを楽しめるのかを確認したいですよね。
それを分かるためにもお手軽なキット製作はおすすめですよ。
人気とはいえ、まだまだやってる人は少ないハンドメイドでもあります。
私の周りにも「レザークラフトやってるよ」って人は見掛けませんし・・・。
でもこれからドンドン盛り上がる趣味になると思うので、ぜひ先駆けて始めてみてください。
(ダイソーで専用道具が出て来たという事実だけで、需要が見て取れますよね!)
願わくば、本記事を切っ掛けにレザークラフト仲間が増えてくれたらと思います。