レザークラフトの縫い目は、作品の見栄えに大きく影響します。
縫い目がガタガタになっていると、せっかくの作品が台無しになってしまいます。
この記事では【平縫い】と呼ばれる代表的な縫い方について、
縫い始め~縫い終わりの始末までをご紹介していきます。
めんどくさがらずに、正しいやり方をしっかり覚えるように。


レザークラフト 【平縫い】 縫い方
代表的な【平縫い】という方法で、きれいに縫うやり方を、全3ステップで説明していきます。
平縫いをすると、このような縫い目になります。

【前提として】
一言で平縫いと言っても、縫い進めるにはいろいろな方法があります。
この記事では、以下の「1」の方法で説明していきますね!
- ★最初に、作品の【裏面】から針を通して、【奥 → 手前】に縫っていく方法
- ☆最初に、作品の【裏面】から針を通して、【手前 → 奥】に縫っていく方法
- ☆最初に、作品の【表面】から針を通して、【奥 → 手前】に縫っていく方法
- ☆最初に、作品の【表面】から針を通して、【手前 → 奥】に縫っていく方法

利き手によっても、やりやすさが微妙に変わってきますね!
まずは自分がやりやすいと思った方法を選んでおけば大丈夫だ。

平縫いは「裏面から通すのが基本」とされています。
この記事では【裏面】から通して【手前に進む】方法を採用しています。
ココがポイント
裏から針を通すと、表面にふくらみができることがある。
この時、表面からふくらみを消しながら針を入れると、綺麗に仕上がる。
革の縫い方【平縫い】全3ステップ
それでは写真付きで、平縫いのやり方について全3ステップの説明をしていきます。
【ざっくりした手順紹介】
この手順は、それぞれのステップの最後にも「手順リスト」として記載しています。
最初にどんな作業なのかのざっくりした把握と、最終チェック時にまとめて見る時にお使いください。
縫い始め方
- 縫い始めの穴の裏から糸を通す(自分の身体から見て一番奥の穴)
- 糸を左右同じ長さにする
縫い進め方
- 裏から2つ目の穴に糸を通し軽く引っ張っておく
- 裏から出た糸を進行方向とは逆に引っ張っりながら、
- 糸に針を刺さないように、表から針を入れる
- 両側の糸を引っ張って、適度な力で締める
- あとはずっと繰り返し
縫い終わりの始末
- 裏から、ひとつ前の穴に針を通す。(既存の糸の下を通す)
- 表から、ひとつ前の穴に針を通す。(既存の糸の上を通す)
- 更にひとつ前の糸を「表から通す」(表から通すのはこの1回のみ)
- 裏側に糸が2本出た状態で、糸をクロスさせる
- 表から入れた針を、再度同じ穴に戻す
- 糸をクロスさせたことにより出来た結び目にのり付けする。
- 両側から引っ張り締める(糸をクロスさせて出来た結び目を結ぶ)
- 表、裏の両方で余った糸を結び目のギリギリで切る
- 切った糸の部分にのり付けする
縫い始めのやり方【簡単】
step
1縫い始め方

表面と裏面がわかりやすいように、革の色を変えています。


まず、裏面から針を通して、左右から出た糸の長さを同じにします。
針を通す縫い穴は、表面を右側にして、一番奥の縫い穴です。(手前に縫っていきます。)

糸の長さは、縫う距離の4倍を取るのが基本です。
今回は縫う距離が短いので、針にセットする分の余裕を見て+10cm。
これで余裕をもって作業できます。
【手順まとめ】
- 縫い始めの穴の裏から糸を通す(自分の身体から見て一番奥の穴)
- 糸を左右同じ長さにする
縫い進めのやり方
step
2縫い進める
それでは縫い進めていきましょう!
ここは少し説明が複雑になるところもありますが、覚えてしまえば簡単です。
まずは裏面から、2つ目の穴に針を通します。

関連記事
穴のデコボコが気になる?|解消法はコレ!
-
菱目打ちは【打ち過ぎに注意!】|穴を綺麗に開けるやり方&コツ
続きを見る


※糸と縫い穴の色が同じで見づらかったため、革を赤く塗りました。
表面から出た糸を軽く引っ張っておきます。
ココに注意
この時点で引っ張りすぎないこと。
締め付けは、針を表と裏、両方から出した後に行います。

次が複雑です。
まず、写真の大事①のように、先ほど裏側から出した糸を進行方向とは逆に引っ張ります。
またその時に、ひし目(縫い穴)の鋭角になっている方に糸を寄せておきます。
そして、大事②のようにそれとは反対のひし目の鋭角に、表側から針を刺していきます。


めっちゃわかりにくいですっ!!
少し図で補足させてクダサイ

大事①の補足
こんな感じで、ひし目の鋭角の方向に糸をひっぱって避けておきます。
この時、縫い進める進行方向とは逆にひっぱることに注意!
大事②の補足
反対側の鋭角に、表側から針を通します。
大事①で避けた糸に、針を通してしまわないように注意!

しっかり避けていれば大丈夫だが、通してしまったものを元に戻すのもなかなか大変なので注意して縫っていこう。

さて、表から針をうまく通せたら、ここでも軽く引っ張っておきましょう。

最後に、両側の糸を引っ張って、糸を締めます。
ココに注意
あまり強く締め付けてしまうと革に食い込んでしまい、シワが出来たりして見て目の仕上がりが悪くなるので注意
ココがポイント
締め付ける時は適度な力加減で。
全ての目で一定になるように心がけましょう。

大事①~大事③は、全て見た目に影響する部分なので、しっかりポイントを押さえておきましょう。

簡単におさらいさせてください!
【おさらい】



これを繰り返して、最後のひし目まで縫っていきます。

裏面はこんな感じに。

平縫いで縫い進めることが出来ました!
あとは縫い終わりの始末をすれば完了です。
【手順まとめ】
- 裏から2つ目の穴に糸を通し軽く引っ張っておく
- 裏から出た糸を進行方向とは逆に引っ張っりながら、
- 糸に針を刺さないように、表から針を入れる
- 両側の糸を引っ張って、適度な力で締める
- あとはずっと繰り返し
縫い終わりのやり方
step
3縫い終わりの始末
最後の難関です。
ここも少し複雑で説明がむずかしい作業になります。
また、縫い終わりの始末は、全ての作業が見た目の仕上がりに大きく影響してきますので、しっかりポイントを押さえて進めていきましょう!

まずは縫い目をひと目戻ります。
裏側からもともとある糸の下を通って、表にひっぱり出しましょう。
ココに注意
もともとある糸の下を通さないと、糸がクロスしてしまい見栄えが悪くなります。
また、もともとある糸に針を通してしまわないように十分注意してください。

ココがポイント
すでに縫い穴に2本糸が通っていて、3本目を通すので、かなり針が通りにくいです。
うまく通らない場合は、ペンチなどで針をつかんで、引っ張るとうまくいきます。
ただし、
ココに注意
・引っ張りすぎて締めすぎないように注意!
・針を自分に刺さないように注意!
・力を入れすぎて針を折らないように注意!

今度は表から縫い穴をひと目戻します。
先ほどとは逆に、もともとある糸の上を通すと、糸がクロスしないで済みます。

糸に針を刺さないようにして、裏側に引き抜きます。

ここで初めて表から先に針を入れます。
更にひと目先に戻していきますが、もともとある糸の下を通しましょう。

ここでも糸に針を通さないように注意してください。

次は、今通した針を、もう一方の糸の下側にクロスさせます。

糸をクロスさせたら、そのままその針を先ほど通した穴に戻していきます。


同じ穴に戻したら意味ないんじゃないですか?
1回糸をクロスさせたことで、こんな感じに結び目が出来ているだろう



結んで、のり付けをして、ほどけなくなったら糸を切っていくぞ。


サイビノールとは?
接着力は強力で、日常で使う革製品には強度が必要になるので、あると便利です。
色はクリアで目立ちません。
結び目が革の内側に入るように、両側を引き締めます。
裏側で結び目を作ったので、表側にやや強く力をいれると、革の内側に結び目が入りやすいです。

引き締めた後に、サイビノールが乾いたかなというタイミングで糸を切ります。
切る場所は結び目ギリギリのところで大丈夫です。

切った糸の先端に、少しだけサイビノールを塗っておきましょう。
革についてしまわないように注意してください。

これで完了です!



結び目がほとんど目立ちませんね!
【手順まとめ】
- 裏から、ひとつ前の穴に針を通す。(既存の糸の下を通す)
- 表から、ひとつ前の穴に針を通す。(既存の糸の上を通す)
- 更にひとつ前の糸を「はじめて表から通す」
- 裏側に糸が2本出た状態で、糸をクロスさせる
- 表から入れた針を、再度同じ穴に戻す
- 糸をクロスさせたことにより出来た結び目にのり付けする。
- 両側から引っ張り締める(糸をクロスさせて出来た結び目を結ぶ)
- 表、裏の両方で余った糸を結び目のギリギリで切る
- 切った糸の部分にのり付けする
木づちのおなかの部分で縫い目に「トントン」と圧をかけると、革になじんで見栄えが良くなるぞ!


以上、綺麗に縫うやり方でした。

関連記事
縫う練習にピッタリ!「本の形のキーホルダー」 続きを見る
レザークラフト入門【本型のキーホルダー】作り方も簡単♪
綺麗に縫えたら綺麗な写真を撮ろう 続きを見る
【レザークラフトの無料型紙】|縫わない『レザートレイ』の作り方