レザークラフトを始める前に、まずは革小物の作り方のイメージを掴みたいですよね。
この記事では、レザークラフトの5つの基本工程についてご紹介していきます。
実際に名刺入れを作りながら説明していきますので、イメージもしやすいかと思います。
必要な道具も分かりますので、「これから始めたい!」という方にピッタリの内容ですよ。
レザークラフト覚えるなら
レザークラフト|革小物の作り方
レザークラフトでは、以下の基本となる工程を行うことで、革小物を作っていきます。
レザークラフトの基本工程
- 型紙をつくる
- 革を切る
- コバ・床面(トコメン)を整える
- 穴を開ける(縫い穴)
- 縫う
コバ・床面とは?
・コバとは、革を切った時の断面のこと。
・床面(トコメン)とは? 革の裏面のこと。※表面は銀面と呼ぶ。
上記5つの作業を行うことで、お財布やカードケースなど、色々なモノを作ることができます。
例えば、この写真の名刺入れも、5つの基本工程だけで作られています。
今回は、この名刺入れの作り方に沿って、基本工程がどんな感じかご紹介していきますね。
この『名刺入れ』は、型紙も無料で公開中ですので、本記事の作り方を見ながら作ることもできます。
※革の厚みは1mm推奨です。
レザークラフトの基本工程!作り方手順
では早速、名刺入れの作り方を見ていきましょう。
先程ご紹介した、5つの基本工程に沿って進めていきます。
基本工程に必要な道具については、記事の後半でご紹介しています。
作り方の手順①『型紙作成』
レザークラフトでは、革を切る時に型紙が必要不可欠となります。
革を適当に切ってしまうと、作品にズレが生じるので、型紙を使ってキッチリ裁断します。
型紙は、以下の方法で用意することができます。
型紙を手に入れる方法
- ネットで探す(無料・有料がある)
- レザークラフト用の本の付録
- CADを使ったりして自分で作る
下の写真は、私がCADで作った図面をA4の紙に印刷したものです。
この紙を厚紙に貼り付けてから、図面の線の通りに切っていけば型紙は完成です。
厚紙で作った型紙が出来上がりました。
25×65の小さい長方形は「マチ」のパーツです。名刺入れの容量を増やしたい場合は、35×65にするなどして調整してみてください。
型紙がなぜ必要なのかについては、以下の記事で紹介していますのでご参考ください。
関連記事
型紙って必要?その重要性とは。 続きを見る
レザークラフトに【型紙】は必要?綺麗な作品は型紙から!その理由を解説
作り方の手順②『革を切る』
次に、型紙の外枠を革に写しとる「けがき」という作業を行います。
けがきとは、型紙に沿って丸ギリで革に軽く線を引いていく作業です。
この線が、革を切るガイドラインになります。
けがきを行ったら、カッターや革包丁を使って「粗裁ち(あらだち)」をしていきます。
粗裁ちとは、必要な分より少し多めに革を切り取ることです。
粗裁ちをすると、床面処理をする時に革を痛めたり汚したりするリスクを軽減できます。
以下の記事で、粗裁ちの必要性を紹介していますのでご参考ください。
作り方の手順③ 『コバ・床面を整える』
粗裁ちしたあとは、革の床面(とこめん)を磨いていきます。
コバ磨き剤を使用します。
写真では「トコノール」というコバ磨き剤の、茶色バージョンを使用しています。
コバ磨き剤について
コバ磨き剤は、トコノール、トコフィニッシュ、トコプロが有名です。
どれを買うか最初は迷うと思いますが、大差はなく、どれでも綺麗に仕上がります。
床面にコバ磨き剤をまんべんなく塗布したら、ガラス板を使って磨きます。
ココがポイント
床面を磨くと、手触りがツルツルになり、革の耐久性も上がる。
床面を磨き終わったら、けがき線に沿って革を裁断しましょう。
間違えると台無しになってしまうので、慎重にまっすぐ切っていきます。
写真では革包丁を使っていますが、カッターでも全然切れます。
革包丁とカッターの違いが知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
裁断が終わったら、コバ処理をしていきます。
コバ処理をしないと、革が切りっぱなしの状態で見栄えが悪くなるので必ずやりましょう!
まずは、ヘリ落としという道具を使って、コバの角ばっている部分を切り、なだらかにします。
次に、コバの部分をサンドスティックなどのやすりを使って削り、整えます。
ヘリ落としで切ったコバの部分にも角ばっているところが残っています。
その角をなだらかにしつつ、コバ全体を削りなめらかにするイメージです。
あまり削り過ぎると、せっかく型紙通りに裁断していてもサイズが変わってしまいます。
ザラザラや角を落とせれば良いので、やすりは軽くかけていきましょう。
作り方の手順④ 『縫い穴を開ける』
次は、革を縫い合わせていくための穴「菱目(ひしめ)」を開けていきます。
なぜ穴を開ける?
革は繊維の集合体なので、裁縫のように針を刺して縫っていくことは困難。
革に「菱目打ち」という道具で菱形の穴を開け、そこに針を通して縫っていく。
作り方の手順⑤ 『縫う』
ひし目打ちで穴を開けたら、革を縫っていきます。
レザークラフトは、1本の糸に対して2本の針を使う縫い方が一般的です。
縫い終わりの始末では、サイビノールという接着剤を使用したりします。
ボンドでも代用できますが、サイビノールは乾くと透明になって目立たなくなるのでおすすめです。
レザークラフトの縫い方や、糸と針のセットの仕方は、以下の記事で詳細に説明しています。
『仕上げ・完成』
縫い合わせたら、コバにやすりをかけます。
2枚の革のコバを平らにして、一つのコバに見せるイメージで削ります。
コバが綺麗に整ったら、コバ磨き剤とスリッカーで磨いていきます。
納得いくまで磨いたら、完成です!
この名刺入れは、親指で名刺が出しやすい形になっています。
こんな風にデザインを考えながら作るのも、レザークラフトの醍醐味です。
もう少し道具の使い方や作業のイメージを掴みたい方は、以下の記事もご参考ください。
関連記事
コバ磨き・ヘリ落としなど|22種類の道具の使い方 続きを見る
レザークラフトの道具|【22種類の道具の使い方】を一気に確認!
レザークラフトの工程に必要な道具
今回、名刺入れを作るのに使った道具は、全部で16種類となります。
「まずは手軽に始めてみたい」という方も多いので、出来るだけ100均アイテムを使いました。
そのため、ここでは100均で買える道具と、それ以外の道具に分けて、16種類を紹介します。
100円で買える道具
- カッター
- カッター板
- ハサミ
- ハンマー
- 丸ギリ
- サンドペーパー
- ボンド
- 定規
- 型紙用厚紙
以下は、レザークラフトの専用道具なので、ネットショップや手芸店で揃えましょう。
レザークラフトの専用道具
- 菱目打ち
- ヘリ落とし
- スリッカー
- コバ磨き剤
- ゴム板
- レザークラフト用縫い針2本
- レザークラフト用の糸
道具を揃える費用について
揃える道具の質にもよりますが、金額は、6500円~9000円くらいが目安です。
100均を活用しつつ、専用道具はそれなりのモノを買えば、これくらいで納まります。
以下の記事で、コスパを重視した道具の揃え方を紹介していますのでご参考ください。
レザークラフトは他にどんな作業がある?
レザークラフトは、他にもこんな作業があります。
レザークラフトの作業内容
- 革・下地・裏地の接着
- 漉き作業(ヘリ漉き・ゼロ漉きなど)
- ヘリの処理(ヘリ返し・菊寄せなど)
- 留め具の取り付け など
これらの作業は、作る革小物によっては必要になってくるものです。
例えば、名刺入れをボタンで留める仕様にしたい場合には、『留め具』の取り付けを行います。
その場合、バネホックと呼ばれる留め具や、留め具を打ち付ける道具が必要になります。
ただ、名刺入れに留め具が欲しいと思うかどうかは、人それぞれですよね。
このように、ボタンの取り付けや、ヘリ返しという技法を使うかどうかは好みの部分です。
そのため、今回の基本作業の枠からは外しました。
上記の作業は、基本となる5つの作業をマスターしてから覚えるのでも遅くありません。
レベルアップしたら実践すると良いでしょう。
その時は、カテゴリー『道具の使い方・技術』にて、やり方を確認できますのでご参考ください。
【まとめ】レザークラフトの革小物の作り方
さて、名刺入れの作り方に沿って、レザークラフトの5つの基本工程をご紹介しました。
この5つの基本工程を覚えれば、大体なんでも作ることができるようになりますよ。
基本工程で作れるモノ
- お財布
- キーケース
- ポシェット
- ペン立て
- ストラップ などなど
中でも人気なのは、お財布とかキーケースですね。
自分が日常で使うモノは、自分で手作りしたものだとテンションも上がります。
5つの基本工程から覚えると
- 道具は16種類で足りる!
- 実用的な革小物も作れる!
- とりあえず入門しやすい!
どうでしょう?
この基本作業を覚えるだけで色々な革小物が作れるって、少しワクワクしてきませんか?
レザークラフトは作品が出来た時の『喜び』と『達成感』がスゴイですし、とっても楽しいですよ。
ぜひ、レザークラフト始めてみてくださいね。