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接着剤の【サイビノール】とは|特徴・用途・100と600の違いを解説

サイビノールとは|特徴&使い方

サイビノールとは、レザークラフトで良く使われる接着剤です。

白系のボンドではとてもメジャーで、教本などでも良く出てきます。

どんな接着剤を使うか迷ったら、とりあえずサイビノールを使えば間違いないでしょう。

うさぎ三世
仮止めなら『ゴムのり』!接着なら『サイビノール』!

 

この記事では、以下の内容についてご紹介していきます。

サイビノールのこと

  • 特徴
  • 用途
  • サイビノール100と600の違い

 

どんな場面でサイビノールが必要なのかも気になるところかと思います。

そのあたりも、記事の後半でご紹介します。


サイビノールとは|特徴と使い方

サイビノールとは、酢ビ系の白いボンドのようなモノです。

匂いも見た目も、良くある水性ボンドと似ています。

サイビノールの材質(見た目)

 

使い方は簡単で、サイビノールを塗布し、貼り合わせて乾燥させるだけです。

サイビノールを両面に塗布

 

メーカーが商品概要欄に記載している特徴や使用方法も見てみましょう。

【特徴】:のびが良く、乾くと半透明になる。乾きが早く、強力な接着が得られる。

 

【使用法】:接着面の汚れを取り、サンドペーパー等で荒らした後、片面又は両面に薄く均一にぬり、乾燥前に貼り合わせる。

 

使用法に『片面又は両面薄く均一にぬり・・・』とあります。

私の場合は、しっかり接着させたいので、両面に塗布することが多いですね。

 

さて、以上のことをふまえて、サイビノールの特徴をみてみましょう。

サイビノールの特徴

  • 乾くまでは位置合わせが容易
  • 乾くと半透明になる
  • 強力な接着剤
うさぎ三世
ふむふむ。これがどう活きてくるんだろ?

乾くまでは位置合わせが容易

サイビノールが乾くまでは、貼り合わせたものを動かして調整することができます。

そのため、少しズレて貼ってしまった場合も位置調整が可能です。

これは、水性ボンドの手応えをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれませんね。

 

位置調整が出来るということは、一発勝負ではないため、失敗のリスクが低くなります。

例えば、革を貼り合わせる時は、コバをキッチリ揃えたいですよね。

キッチリ揃えるのは微調整が必要になるので、サイビノールが重宝します。

 

ただ、乾くと全く動かなくなるので、そこは時間との勝負になります。

うさぎ三世
時間との勝負!?焦るっ!

 

もし、革が大きいなどにより、塗布に時間が掛かるのが分かっている場合は、革を湿らせましょう

霧吹きなどで表面に少し水を掛けてあげるだけで、乾く時間を遅らせることも可能です。

(水の付け過ぎは、接着力が落ちるので注意)

霧吹き

 

うさぎ三世
1つ質問!逆に位置調整が難しいボンドってどんなのがあるの?

 

それは、接着力の強いゴム系ボンドです。

これらは、いちど貼り合わせると、ほとんど動かすことができません。

接着力の強いゴム系ボンド

  • ダイヤボンド
  • G17ボンド
  • スリーダイン など

ちなみに、クラフト社のゴムのりは、そもそもの用途が『仮止め』なので、接着力が弱い部類です。

そのため、革とファスナーはもちろん、革と革でも圧着する前なら位置調整が可能です。

 

ゴムのりの特徴や使い方が気になる方は、こちらをご参考ください。

ゴムのりの使い方
【ゴムのり】の使い方&特徴|レザークラフトで必要になる場面とは?

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乾くと透明になる

これもゴム系ボンドとの違いになりますが、サイビノールは乾くと半透明になります。

半透明になるということは、もし作品の表面に出てしまっても目立たないということです。

 

こちらは、サイビノールを塗布した直後の写真

サイビノールを塗った直後

 

数分置くと、このように乾いて半透明になります。

サイビノールが乾燥してきた様子

厚塗りだった部分も、まもなく半透明になりそうですね。

 

ゴム系ボンドの場合は、乾くと黄色っぽいボンドの塊になります。

うさぎ三世
黄色いボンドの塊が見えるのはちょっとヤダね。

 

そういうリスクを伴う部分には、サイビノールを使うのがおすすめです。


強力な接着剤

サイビノールは、しっかり使うと接着力がすごく強いです。

ただし、速乾性ではないので、完全に接着させるためには数十分の時間を要します。

 

サイビノールを塗布した後、接着したい部分を、クリップやヤットコで挟んであげます。

挟んだまま、20~30分経つと、手で引っ張っても剥がれないくらい接着してくれます。

接着力が強力なため引っ張っても取れない

※けっこう引っ張ってます。

 

絶対に剥がれて欲しくない部分には、接着力の強いサイビノールを使うのがおすすめです。

うさぎ三世
なるほど。でも、具体的にどういう時にサイビノールを使うと良いんだろ?

サイビノールが必要になる場面

特に、サイビノールを使った方が良いという場面を、2つご紹介します。

サイビノールが活きる場面

  • ヘリ返しの接着
  • 糸の始末

ヘリ返しの接着

ヘリ返しをする時、基本は最終的に縫い付けますが、剥がれてしまうと台無しです。

そのため、接着力が強力なサイビノールを用います。

ヘリ返しとは?

革の端(ヘリ)を反対側に折り曲げて納める手法。裏地を使う時に良く使われる。

 

【ヘリ返し前】

ヘリ返し前

 

【サイビノール塗布】

ヘリ返し部にサイビノールを塗布

 

【ヘリ返し後】

ヘリ返し部の接着完了
うさぎ三世
しっかり接着されているね!

 

また、ヘリ返し部分は、作品の表面に出ていることが多いです。

そのため、乾いたら半透明になるサイビノールが推奨されます。

うさぎ三世
ゴム系の接着剤を使うと、乾いた後に目立っちゃう!

 

更に、ヘリ返しした部分は、綺麗にまっすぐでないと、格好悪くなってしまいますよね。

サイビノールなら乾くまで動かせるので、位置調整がやりやすいというメリットもあります。

サイビノールなら

  • 強力なのでヘリが剥がれない
  • 半透明になるので目立たない
  • 位置も調整しやすい

 

また、「菊寄せ」をする場合も、ゴム系ボンドよりサイビノールがおすすめです。


糸の始末

糸の始末をする時、最後に糸を交差させて結び目を作りますよね。

その時に、交差する部分にサイビノールを付けて縛り付けると、より頑丈になります。

糸の始末の時にサイビノールを塗布

 

また、糸を切った部分にもサイビノールを付けておくと更に頑丈になります。

何かの拍子に糸の終端が外れてしまうこともあるので、それをサイビノールで防ぎます。

 

平縫いの糸の始末をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご参考ください。

 

ビニモを使う場合も、サイビノールで結び目を固めておくと安心です。

ライターで溶かす前に、糸が軽く解けかかるのを防ぐことが出来ます。


それ以外の用途

もちろん、この2つ以外にもサイビノールが使えるタイミングはあります。

サイビノールの使い道

  • 革同士の接着
  • 裏地、芯材の接着

例えば、コバ処理を綺麗にするのにも活きてきます。

接着をせずに、ただ2枚の革を縫い合わせた場合、コバが開いてしまい雑に見えてしまいます。

この時、サイビノールで接着をしておくと、コバに一体感が生まれて、見栄えが良くなります。

うさぎ三世
使い道は色々あるんだ!

サイビノール100と600の違い

サイビノールには、「サイビノール100」と「サイビノール600」があります。

サイビノール100と600

この二つの違いは、粘度の違いです。

 

明らかに変わるのは、水が含まれている割合です。

サイビノール100には水が49%含まれているのに対し、600の方は37.1%しか入っていません。

サイビノール100と600の違い

 

水分の量が低いサイビノール100の利点を見てみましょう。

サイビノール100のメリット

  • 粘度が低く、伸ばしやすい
  • 広範囲にも塗りやすい
  • 乾くのが遅い(時間的余裕)

逆に、サイビノール600はねっとりするので広範囲には向きません。

でも、乾くのが早いしくっつきやすいので、菊寄せどの細かい部分に有効です。

感覚的には、600の方が良くある水性ボンドに近い粘度かなと思います。

 

どちらか迷ったら、とりあえず塗りやすいサイビノール100で良いと思います。

600は、早く乾いて欲しいなど、作業性を上げたいと思ったら用意すれば良いでしょう。


サイビノールとは『安心・便利』な接着剤

サイビノールは、塗りやすく強力で本当に使いやすい接着剤です。

サイビノールの利点

  • 乾くまでは位置合わせが容易
  • 乾くと半透明になる
  • 強力な接着剤

 

レザークラフトは、意外と接着作業も必要なタイミングが多いです。

レザークラフト用に作られたサイビノールなら、安心して使うことができますよね。

しっかり蓋を締めておけば、固まらずに長持ちもしますよ。

 

ちなみに、サイズは80mlと150mlがありますが、150mlがおすすめです。

うさぎ三世
150mlでも+100円くらいだから、コスパ良いのです♪

 

そういえば、強力なゴム系ボンドしか持ってないなぁ。

仮止め用のゴムのりがあれば良いと思ってた。

 

そんな中、もし接着作業に不便を感じていたら、ぜひサイビノールを使ってみてください。

 

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