レザークラフトの漉き作業を、豆カンナでやってみましょう。
豆カンナは切れ味が悪いとか、調整が難しいというのを良く耳にします。
でも、コツが分かれば簡単です。
この記事では、豆カンナを使うコツと漉き作業をした結果を見ていただけます。
豆カンナとはどんな道具?
レザークラフトにおける豆カンナと言えば、以下の製品が有名です。
角利産業のカンナなのですが、レザークラフト用としてクラフト社でも扱っています。
刃はハイス鋼、ボディは黒檀で出来ており、質感良く重厚感もあります。
こんな感じで、刃を付けたまま箱に収納できるので、出し入れは楽です。
豆カンナの構造
構造としては、普通のカンナと大差ありません。
カンナの底から飛び出した刃を使って、床面を漉くことができます。
豆カンナは、このように3つの部品から構成されています。
真鍮の部品にネジがついていて、それを締めることで刃を固定できます。
逆に完全に緩めると、刃はカンナの底から抜けるような構造です。
実際に豆カンナで革を漉いた結果
豆カンナを使って、実際に革を漉いてみた結果をお見せします。
こちら、A4に近いサイズの厚さ2mmの革です。
違いが分かるように、右半分だけ漉いてみました。
漉いた分の床面が山になっていますね。
これは、革の種類や漉く時の深さによって様相が変わります。
記事後半のコツの紹介でも説明しますが、私は少しずつ漉くのでこんな感じです。
さて、これで大体0.5mmほど漉いた状態です。
作業時間は3分程でしょうか。
断面から見てみると、革が漉けて薄くなっているのが分かりますね。(左半分)
それじゃ、そろそろコツを教えてもらおうか。
豆カンナを使う時のコツ2つ
カンナと言えば、まず大工さんを思い浮かべるのではないでしょうか。
なので、コツと言われると構えてしまいそうですが、大した内容ではありません。
ここで紹介する2つのコツを意識すれば、革の床面を簡単に漉くことができます。
コツ① まず刃を研ぐ
豆カンナを買ったら、すぐにガッツリ漉き作業をやりたくなりますが、まずは研ぎましょう。
切れない訳ではないですが、購入直後はあまり切れ味が良くなかった印象です。
※私が購入したものがたまたまそうだった可能性もあります。
もちろん漉き作業が出来るくらいには、元々の切れ味は持っています。
ですが、研げばポテンシャルが格段に上がりますよ。
もし切れ味が悪いと思ったら、すぐ研ぐことをおすすめします。
色々デメリットがあります。
デメリット
- 疲れる
- ガッカリする
- 床面に引っ掛かる
(結果、革が伸びる)
切れないまま無理にやろうとすると、疲れるし、力んでケガもしやすく危ないです。
また、特に2つ目が大事です。
最初からスルスル切れるのを期待していると、ガッカリしてしまうかもしれません。
こんなもんかと感じて、そのまま使わなくなってしまったり・・・。
なので、めんどくさがらずに最初にしっかり研いであげましょう。
研ぐ時は、できるだけ目の細かい砥石(#3000以上推奨)で研いであげましょう。
↓↓こばなびでおすすめしてる砥石。コスパ最高です!
また、仕上げやメンテナンス用に革砥が有ると、切れ味が簡単に持続できるので便利です。
先程残した半分は、革砥を使って刃を研いだ後に漉いてみました。
切れるようになったので仕上がりも良い感じです!
切れ味でここまで変わるんだね!
革砥については、格安で作る方法を別記事で紹介しているのでご参考ください。
コツ② 刃を出し過ぎない
これは『豆カンナの底から刃を出し過ぎない』という意味です。
カンナの底から刃が長く出れば出るほど、革に刃が食い込みますよね。
食い込めば食い込むほど、床面の繊維を切るのには、力もしくは切れ味が必要になります。
深く食い込んだだけで床面がうまく漉けないと、こんな感じになります。
これは、このくらい刃を出してカンナ掛けをした時の結果です。
出す刃の長さは0.2mm~0.4mmくらいが良いかと思います。
木で考えると分かりやすいかもしれません。
カンナの刃が木に深く刺さったら、漉くのにかなりの力がいりますよね。
ただ革の場合、力任せに漉こうとすると伸びてしまうので、そもそも良くありません。
刃を控えめに出して、薄く漉こうとすればするほど、撫でるくらいの力で漉けるようになります。
作品を綺麗に作るためにも、薄く、少しずつ漉いていくことをおすすめします。
研ぐのが上手な人は、刃を長めにしても充分漉けます。
まとめ|豆カンナで手軽に漉き作業!
レザークラフトの漉き作業において、豆カンナはバッチリ活躍してくれます。
漉き包丁では広すぎるような範囲でも、豆カンナなら素早く漉くことが可能です。
豆カンナのメリット
- 漉き道具としては安価
- 広範囲も素早く漉ける
- コツを覚えれば簡単
- 研げば長持ち
- コバ処理でも活躍
漉き機は便利ですが、買うと20万円近くしたり、場所を取ったりしてしまいます。
ですが、豆カンナなら2,000円程度で広い範囲も漉けるようになるのでおすすめです。
また、革を重ねたコバの部分を平らにするのにも使えたりします。
平にしたコバは綺麗に磨けますので、作品の仕上げにも豆カンナは活躍してくれますよ。