『銀面』や、『床面』などの革に関する単語は、あまりなじみがありませんよね。
本記事では、革に関する部位ごとの呼び方や、革の特徴を表す単語を紹介しています。
こんな方におすすめの記事です
- レザークラフトを始めたい
- 銀面、床面、シボなどの単語の意味を知りたい
- 革に関する見識を深めたい
銀面や床面など 革の基本ワード10
革の「銀面」や「床面」など、良く聞く単語集になります。
個人的には、言葉の響きと意味が繋がりやすく、覚えやすい単語が多いと思います。
銀面(ギンメン)
革の表面の部分。「皮」から「革」へなめし処理をする過程で、「皮」の表面にある表皮や毛を処理し真皮層だけにします。真皮層だけとなったものが「革」と呼ばれ、その表面が銀面と呼ばれます。模様や形状、毛穴の大きさなどによって商品価値に直接的に影響します(見た目が良いものは高い)。
床面(トコメン)
革の裏部分(銀面の反対側)。網状層と言われる毛が絡みあって出来ている部分を指します。有名なスエードという革は、床面を削って起毛させたもの。スエードは子牛や子羊、子山羊で作られたものを呼び、成牛皮を起毛させたものはベロアと呼びます。成牛の方が繊維組織が粗いので、ベロアの方がスエードよりケバが長い仕上げになります。
コバ
革の切り口のこと。切りっぱなしだと床面の毛などがモサモサするので、革製品を作る際には、コバ磨き剤を使用してツルツルにするのが一般的です。
原皮(ゲンピ)
革の元となる皮のこと。牛、豚、鹿などの動物の種類だけでなく、年齢(大きさ)によっても分類される。原皮は加工後の革の性質を決める最も重要な要因となります。(基本的に、年齢が若い方がやわらかくて繊維が細かい革となる)
なめし
原皮を革にするための作業のこと。革の状態ではコラーゲンやタンパク質が多く含まれるため、そのまま使用すると腐敗したり硬質化してしまうのでなめし処理をする必要があります。代表的ななめし処理の2つとして、「タンニンなめし」と「クロムなめし」があります。
※それぞれのなめし方の特徴は、別記事「レザークラフト用語集 第2弾【革の購入に役立つワード】」で紹介しています。
タンナー
なめし作業を行う人のこと。製革業者のことも一般的にタンナーと呼ばれます。
シボ
シュリンク革として加工した時に現れる、銀面のデコボコしている部分。同じ1頭の牛から取れる革でも、部位によってシボの表情が変わります。ベリー(腹・足)の部分がもっとも大きなシボがあり、ショルダー(肩)の部分は良く動く部分なので繊維が粗くなっていて深めのシボができます。バット(背中・腰)は肌目が細かくなっているので、粒が細かく均一なシボとなります。
血筋
血筋とは、革に残っている血管の跡のことを指します。
これは革の『味』として受け取られることも多く、デザインに活かされます。
当然、合皮には血筋はありませんので、本革の証にもなります。
トラ
トラとは、首から胸の銀面にあるシワのことを言います。
首から胸のあたりは、生前も良く動かす部位になるのでシワができ、革になった後も残ります。
ぱっと見トラ柄のように見えるので、『トラ』と呼ばれるようになったのでしょう。
血筋と同様に、デザインにも活かされます。
芯通し
芯通しとは、染料を革の繊維の中まで染めていることです。
しっかりと芯通しされた革は、床面にも、銀面と同じ色が入っている状態になります。
逆に、銀面にだけ色を載せている革も、市場にはたくさん出回っています。
銀面、床面、コバは基本の「き」
今回紹介した中でも、銀面、床面、コバは基本中の基本でした。
これを覚えておくことで、制作手順などの説明書の内容もすんなり理解できると思います。
それ以外の単語については少し専門的なので、始めは覚える必要はありません。
専門知識を覚えると革を選ぶ時などに役に立ちますが、レザークラフトを続けていくうちに、自然と覚えていくでしょう。
また、レザークラフトの道具の知識も別記事でまとめています。
写真付きで使い方なども見れますので、こちらもご参考ください。
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