それは、「はじめての手作りポシェット」から始まりました。
革小物をつくる楽しさ、人に喜ばれる幸せ──今の私の原点です。
妻へのプレゼント、何にしよう?
これは、ある年の妻への誕生日プレゼントの話。
毎年、誕生日の一ヶ月前くらいになると、どんな物を送ろうか頭を悩ませます。
これまで誕生日プレゼントと言えば、雑貨や小物などの市販品を送る。
そんな感じでしたので、今年も何かお店に探しに行こうかと思っておりました。
そんなある日、めずらしく妻が欲しい物を口にしました。
妻「ちょっとしたお出かけに使えるポシェット買おうかな」
その頃、私はレザークラフトを始めて間もない頃でした。
まだ自分用のキーケースとかしか作ったことはありません。
そのため、私にポシェットを作ってもらおうなんて、当時は妻も考えていなかったようです。
私「ポシェットか。・・・作ってみようかな。」
作ったことが無いのでうまく作れる保証は全くありません。
でも「大切な人のために、自分の手で作る」ことに意味があると思い、頑張ってみることにしました。
この“はじめての挑戦”が、やがて私の人生を大きく変えるきっかけになりました。
手探りの設計と製作
まずは、ポシェットに必要なサイズを測ります。
財布やスマホ、化粧ポーチなどを入れてもかさばらないように、図面を引いていきます。
今思えば、かなり無謀な挑戦だったのではと思いますが、デザインも一から起こしました。
何度も何度も修正を重ね、使い勝手はもちろん、パーツ同士がしっかり組みあがるように試行錯誤の連続です。
やがてカタチになったパーツを、ひと針ひと針、丁寧に縫っていく。
色や形、素材、金具のひとつひとつに「喜んでくれるだろうか」と想像を巡らせながら製作していきます。
一度のミスで、すべてが台無しになるかもしれない──そんな緊張感のなか、慎重に進めていきました。
気づけば、丸5日間をかけて、世界に一つだけのポシェットが完成しました。
手作りのプレゼントがくれたもの
誕生日当日、完成したポシェットを妻に渡しました。
「えっ、これ作ったの?すごい…嬉しい!早く使いたい!」
思った以上に喜んでくれたので、私の方にも喜びが込み上げてきました。
ポシェットが完成した時にもすごい達成感を得ていたのですが、渡した時にはそれ以上でした。
自分の手で作ったものが、こんなに喜んでもらえる。
しかも、誰かの生活の一部になるなんてとても素敵なことだ。
その日から、「革小物を作ることで、誰かの役に立てる。しかも、自分も使う人も幸せになれるのでは」と、本気で思うようになりました。
なぜ、今レザークラフトを仕事にしているのか
私がレザークラフトが好きで、今も革小物を作り続けている理由。
それは、**「誰かに喜んでもらえるものを、自分の手で作れる喜び」**を知ったからだと思います。
自分の財布を自分の手で作れて、それを毎日使える所有感も素晴らしいのですが、人に喜んでもらえるとやはり格別です。
そういう意味では、あの日、ポシェットをプレゼントしたことが、私の“はじまり”だったと思います。
このブログでやりたいこと
このブログでは「こばなび」では、レザークラフトの魅力と、役立つノウハウを発信しています。
- 物づくりの楽しさ
- 自分で贈り物を作る
- 好きな事を仕事にする
こんな事をお手伝いできたらと思っています。
まだレザークラフトをやったことがなくても「作ること」に少しでも興味を持っているなら──
私がポシェットを作った日のように、小さな一歩が、大きな転機になるかもしれません。
ぜひ、一緒にものづくりの楽しさを味わっていきましょう。
あなたの“はじまり”を応援します。
さんせーがレザークラフトを始めた理由はこちら ⇒ プロフィール