道具の使い方・技術

豆カンナでする革の漉き作業|コツさえ分かれば『切れない』ことはない!

豆カンナの使い方・コツ・メリット

レザークラフトの漉き作業を、豆カンナでやってみましょう。

うさぎ三世
豆カンナでちゃんと漉けるの?切れ味は?

 

豆カンナは切れ味が悪いとか、調整が難しいというのを良く耳にします。

でも、コツが分かれば簡単です。

この記事では、豆カンナを使うコツと漉き作業をした結果を見ていただけます。


豆カンナとはどんな道具?

レザークラフトにおける豆カンナと言えば、以下の製品が有名です。

 

角利産業のカンナなのですが、レザークラフト用としてクラフト社でも扱っています。

豆カンナの見た目

刃はハイス鋼、ボディは黒檀で出来ており、質感良く重厚感もあります。

 

こんな感じで、刃を付けたまま箱に収納できるので、出し入れは楽です。

豆カンナの収納ケース

豆カンナの構造

うさぎ三世
豆カンナの造りはどうなってるの?

 

構造としては、普通のカンナと大差ありません。

カンナの底から飛び出した刃を使って、床面を漉くことができます。

豆カンナの構造(刃の部分)

 

豆カンナは、このように3つの部品から構成されています。

豆カンナの部品構成

 

真鍮の部品にネジがついていて、それを締めることで刃を固定できます。

逆に完全に緩めると、刃はカンナの底から抜けるような構造です。

うさぎ三世
なるほど!好みの分だけ刃を出して固定するんだね!

実際に豆カンナで革を漉いた結果

豆カンナを使って、実際に革を漉いてみた結果をお見せします。

こちら、A4に近いサイズの厚さ2mmの革です。

違いが分かるように、右半分だけ漉いてみました。

革(床面)を半分漉いた状態

 

漉いた分の床面が山になっていますね。

これは、革の種類や漉く時の深さによって様相が変わります。

記事後半のコツの紹介でも説明しますが、私は少しずつ漉くのでこんな感じです。

 

さて、これで大体0.5mmほど漉いた状態です。

作業時間は3分程でしょうか。

うさぎ三世
おお!結構早く漉けるんだね!

 

断面から見てみると、革が漉けて薄くなっているのが分かりますね。(左半分)

漉き作業を終えたあとの断面(コバの厚み)
うさぎ三世
うんうん、たしかに!

それじゃ、そろそろコツを教えてもらおうか。


豆カンナを使う時のコツ2つ

カンナと言えば、まず大工さんを思い浮かべるのではないでしょうか。

カンナを使うイメージ

なので、コツと言われると構えてしまいそうですが、大した内容ではありません。

ここで紹介する2つのコツを意識すれば、革の床面を簡単に漉くことができます。


コツ① まず刃を研ぐ

豆カンナを買ったら、すぐにガッツリ漉き作業をやりたくなりますが、まずは研ぎましょう。

切れない訳ではないですが、購入直後はあまり切れ味が良くなかった印象です。
※私が購入したものがたまたまそうだった可能性もあります。

 

もちろん漉き作業が出来るくらいには、元々の切れ味は持っています。

ですが、研げばポテンシャルが格段に上がりますよ。

もし切れ味が悪いと思ったら、すぐ研ぐことをおすすめします。

うさぎ三世
切れ味が悪いままだと、どんなことが起きる?

 

色々デメリットがあります。

デメリット

  • 疲れる
  • ガッカリする
  • 床面に引っ掛かる
    (結果、革が伸びる)

切れないまま無理にやろうとすると、疲れるし、力んでケガもしやすく危ないです。

また、特に2つ目が大事です。

最初からスルスル切れるのを期待していると、ガッカリしてしまうかもしれません。

こんなもんかと感じて、そのまま使わなくなってしまったり・・・。

うさぎ三世
買ってすぐお蔵入りはヤダね。

 

なので、めんどくさがらずに最初にしっかり研いであげましょう。

研ぐ時は、できるだけ目の細かい砥石(#3000以上推奨)で研いであげましょう。

 

↓↓こばなびでおすすめしてる砥石。コスパ最高です!

 

また、仕上げやメンテナンス用に革砥が有ると、切れ味が簡単に持続できるので便利です。

豆カンナは革砥で研いでメンテナンスできる

 

先程残した半分は、革砥を使って刃を研いだ後に漉いてみました。

切れるようになったので仕上がりも良い感じです!

豆カンナの刃を研いだ後の仕上がりの違い
うさぎ三世
本当だ!右側が綺麗!

切れ味でここまで変わるんだね!

 

革砥については、格安で作る方法を別記事で紹介しているのでご参考ください。


コツ② 刃を出し過ぎない

豆カンナコツ『刃の出し方』

これは『豆カンナの底から刃を出し過ぎない』という意味です。

うさぎ三世
どんな意味があるの?

 

カンナの底から刃が長く出れば出るほど、革に刃が食い込みますよね。

食い込めば食い込むほど、床面の繊維を切るのには、力もしくは切れ味が必要になります。

深く食い込んだだけで床面がうまく漉けないと、こんな感じになります。

豆カンナの刃を出し過ぎて床面をえぐった状態
うさぎ三世
えぐっただけで終わった感じですな・・・。

 

これは、このくらい刃を出してカンナ掛けをした時の結果です。

豆カンナの刃を出し過ぎてる状態

 

出す刃の長さは0.2mm~0.4mmくらいが良いかと思います。

豆カンナの刃が丁度いい状態
うさぎ三世
一気に漉こうとするとダメなんだね!

 

木で考えると分かりやすいかもしれません。

カンナの刃が木に深く刺さったら、漉くのにかなりの力がいりますよね。

ただ革の場合、力任せに漉こうとすると伸びてしまうので、そもそも良くありません。

 

刃を控えめに出して、薄く漉こうとすればするほど、撫でるくらいの力で漉けるようになります。

作品を綺麗に作るためにも、薄く、少しずつ漉いていくことをおすすめします。

 

研ぐのが上手な人は、刃を長めにしても充分漉けます。


まとめ|豆カンナで手軽に漉き作業!

レザークラフトの漉き作業において、豆カンナはバッチリ活躍してくれます。

漉き包丁では広すぎるような範囲でも、豆カンナなら素早く漉くことが可能です。

うさぎ三世
安いし便利だね~♪

豆カンナのメリット

  • 漉き道具としては安価
  • 広範囲も素早く漉ける
  • コツを覚えれば簡単
  • 研げば長持ち
  • コバ処理でも活躍

漉き機は便利ですが、買うと20万円近くしたり、場所を取ったりしてしまいます。

ですが、豆カンナなら2,000円程度で広い範囲も漉けるようになるのでおすすめです。

 

また、革を重ねたコバの部分を平らにするのにも使えたりします。

平にしたコバは綺麗に磨けますので、作品の仕上げにも豆カンナは活躍してくれますよ。

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