革をはじめて買おうという時は、色々な単語が出てくるので、何を買えば良いのか迷ってしまいますよね。
革は、なめしの仕方、部位、加工方法などにより、実に多種多様ですから、余計に混乱すると思います。
本記事では、革を買う時に良く出てくる単語をまとめています。
欲しい革が買えるように、ぜひ一度目を通しておきましょう!
こんな方におすすめの記事です
- 革の購入を検討している
- 知らない単語が多くてどんな革を買えばいいかわからない
- タンニンなめし、クロムなめし、ヌメ革、タンローなどの特徴を知りたい
- レザークラフトや革の見識を深めたい
革の知識 買う時に役立つワード12
今はネット通販で革が買える時代です。
しかし、実際の革を触らずに買うのはなかなか勇気がいりますよね。
写真や製品情報で判断することになります。
もし買おうとしている革の製品情報に知らない単語がひとつでも入っていたらどうですか?
本記事の単語を覚えて、革の製品情報を正しく読み取れるようになりましょう!
タンニンなめし
植物由来のタンニンを使ったなめし処理を、『タンニンなめし』といいます。
タンニンとは「渋」のことで、それを主成分としたなめし剤を使っています。
タンニンなめし革の特徴
- 成形しやすい(伸び・弾性力が低い)
- エイジング(経年変化)が楽しめる
- 耐熱性が、クロムなめし革にやや劣る
成形性が良いので、お財布などの革小物に向いています。
例えば、ヌメ革、タンローはタンニンなめし処理が施されています。
タンニンが含まれている革は、業界では『鳴きの革』と呼ばれます。
その理由は、銀面を擦ると「キュッ!キュッ!」と音がなるからです。
クロムなめし
化学薬品(塩基性硫酸クロム)を使用したなめし処理を「クロムなめし」といいます。
クロムなめしの特徴
- 柔軟性が高い(やわらかく成形しにくい)
- 保存性が良い
- 耐熱性が高い
- 染色に向いている
革がやわらかいので、衣類やカバンなどの袋物に向いています。
また、染めやすく、色落ちしにくいなどの利点もあります。
タンニンなめしとクロムなめしの詳細な違いは、以下の記事でも紹介しています。
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革素材の種類|【タンニンなめし】と【クロムなめし】の特徴について
ds(デシ)
皮革の売買に使用される面積の単位です。
1dsは100c㎡(10cm×10cmなど)
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革の単位【1ds(デシ)】ってどれくらい?10デシ計算・図解付き!
厚み(適切なものを)
なにを作るかによって、どのくらいの厚さの革を買うかが決まります。
革の厚み【使用例】
- 厚さ1mm = 小銭入れ、ペンケース
- 厚さ1.5mm =ブックカバー
- 厚さ2mm =カバン
- 厚さ3mm =ベルト
もちろん作り手の好みにもよりますので、上記はあくまで参考です。
カバンや財布などは外側が厚めの革でも、内側の袋部(小銭、内ポケットなど)には薄目の革を使い開きやすくしたりします。
使い勝手を考えて厚みを決めるのがベストです。
また、同じ厚みでも、革によって固い柔らかいがあります。
自分好みの革を見つけるのが良い作品づくりのためのキーポイントです。
ヌメ革
表面の型押しや加工をしていない「もっとも革らしい革」と言われます。
タンニンなめしで処理されており、手触りも革らしく仕上がっています。
表面の加工もしていないので、生前のキズやシワもそのまま残っている箇所も見られるのですが、それは革本来の「味」を楽しむのにも最適な革として受け取られます。
【ヌメ革と極端に真逆の革を例えた場合】
ヌメ革 | 真逆の革 |
革の表情そのまま | クロコダイルの模様を革に型押し |
染色なし | 顔料で革の表面にガッツリ塗料を載せた革 |
タンニンなめしろうけつ染め(タンロー)
タンニンなめしろうけつ染め用の革のこと。
略してタンローと呼ばれています。
通常のヌメ革より色が白っぽいのが特徴で、染色しやすい特徴をもちます。
染色せずに白っぽいまま革製品に使われることも良くあります。
エイジング(経年変化)によって綺麗なアメ色に変化していくのが魅力の一つです。
牛革(カーフ、キップ、ステアなど)
牛革は年齢や性別などによって呼び名が分類されています。
牛革の種類
- カーフスキン
- キップスキン
- ステアハイド
- カウハイド
- ブルハイド
- ハラコ
カーフやキップと呼ばれるスキンの方が、ハイドよりも月齢が若い革です。
月齢が若い方が、革が柔らかく、キズも少ない場合が多くなります。
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革の部位(ベリー、ショルダー、ベンズなど)
革は部位によって呼び名がついています。
牛革の部位名称
- ベリー = 腹
- レッグ = 脚
- ショルダー = 肩
- ベンズ = 背中・腰
- ネック = 首
- ヘッド = 頭
部位によって革の厚み、肩さ、シワの状態などに違いがあります。
作品に合わせた部位選びが重要です。
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半裁・丸革
半裁とは、動物1頭分の革を、背中のラインにそって半分にした革のこと。
「サイド」とも呼ばれます。
背中に沿って分けられていることによって、革の部位が全て半分ずつ含まれています。
そのため、革取引で良く用いられている形となっています。
丸革は、その名の通り、動物丸々一頭分の革の事になります。
加工方法(銀付き革、シュリンク、エナメル)
革は、加工方法によって表面の仕上りが大きく変わります。
革の加工方法
- エナメル革
- シュリンク革
- スムースレザー
エナメル革は有名ですね。表面がツルツルテカテカの革です。
ただし、革の銀面に化石燃料を塗っているので、賞味期限があります。
理由は、皮フの表面にラップしたようなモノなので、革が呼吸できず劣化が進んでしまうからです。
シュリンク革は、わざと表面にシボ(デコボコ)を出した革です。
部位によってシボの出方が違うので、歩留まり(使える面積)が少なくなりがちな革です。
スムースレザーとは、表面がなめらかな革の事を指します。(銀付き革、ガラス張り革など)
この他にも、スエードやベロア、型押しレザーなどもあり、加工方法は実に多種多様です。
栃木レザー、姫路レザーなど
日本の技術を駆使してなめし処理された革。
特に栃木と姫路のクオリティが高く、世界からも注目されるほど有名な革となっています。
一般的な牛革のデシ単価が150円前後のところ、栃木レザーなどはデシ単価300円超となかなかの高級品です。
手触りや質感が一般的な牛革と全然違うので、ぜひ触れていただきたい革です。
コードバン
コードバンとは、馬の革です。
希少価値が高い農耕馬のお尻から取れる革で、美しく強靭なことから革のダイヤモンドと呼ばれています。
デシ単価800円とかの、超高級品です。
実は、コードバンは全ての馬から取れるわけではありません。
実際に革を磨いていってみないと、コードバンが取れるかも分からないそうです。
まさに鉱山からダイヤモンドを掘り当てるように、希少価値の高い革となっています。
覚えておくと良い|革の関連用語
タンニンなめしと、クロムなめしの革は、モノが全然違うことがわかりましたね。
この二つはぜひ覚えておきましょう。
固い革小物を作りたいのか、柔らかいバッグや服を作りたいのかで、必要な革は変わります。
自分が作りたい作品の革を手に入れられるように、基本知識として抑えておきましょう。
また、最近は防汚、防カビ、防水、抗菌などの効果を持った機能性のある革のシェアが増加しているようです。
今後は、徐々に見る機会が増えていくかもしれせんね。
更に、革は表面の加工方法なども多種多様で、本当に多彩で奥が深いです。
まだまだ色々な用語が存在しますので、以下の記事も参考にしてみてください。
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