レザークラフトに使う菱目打ちは色々な種類があるため、どれを選べば良いか迷っていませんか?
この記事では、菱目打ちを選ぶ時の4つのポイントについてお伝えします。
菱目打ちには形状やサイズの違いがありますが、基本は好みのタイプが1種類あればOKです。
そのため、できれば何種類も試すことなく「アタリ」に出会いたいものですよね。
私も良い菱目打ちに出会うまで、数種類の菱目打ちを試してきました。
その経験を元に、初心者・中級者の方にもおすすめな菱目打ちもご紹介します。
菱目打ちの選び方のポイント4つ
まず、菱目打ちを選ぶ時のポイントですが、以下の4つを確認しましょう。
形状を見る時のポイント
- 刃幅
- ピッチ
- 目数
- 柄の形状
それぞれの言葉の意味するところや、形状によってどんな違いが出るのかを説明していきます。
菱目打ちの『刃幅』とは
刃幅(ははば)とは、読んで字の如く、菱目打ちの刃の幅のことです。
刃幅のサイズは2mmが一般的で、大きくても3mm位となっています。
この刃幅は、使う糸の太さに対して合うものを選ぶ必要があります。
ですが、最初はあまり気にする必要はありません。
その理由も含めてご説明していきますね。
例えば、エスコード(太)などの太い麻糸を使う場合は、刃幅が2mmだとキツイです。
縫えないことはありませんが、革にストレスが掛かりますし、見た目も汚くなります。
これからレザークラフトを始めるというのに、使う糸が決まってるのはレアケースですよね。
もし糸にこだわりが無ければ、正直なところ、刃幅はあまり気にしなくても大丈夫です。
なぜなら、レザークラフト用の糸は、実に多種多様だからです。
それこそ麻糸にも、細いモノから太いモノまで揃っていますから、好みの糸は絶対見つかります。
もっと言うと、売っている菱目打ちの多くは、そもそも刃幅が何mmか書いてないことが多いです。
たぶん『刃幅が明記されてないモノは2mm幅』だと思っても差し支えないくらいです。
刃幅は2mm~3mm位ですし、大きく外すこともありません。
「太い糸を使いたい」などのこだわりが無ければ、刃幅は2mmを選ぼう!
菱目打ちの『ピッチ』とは
菱目打ちを選ぶ時に、特に大事になるのが、この『ピッチ』です。
ピッチとは、菱目の穴と穴同士の間隔や、縫った時の一目の長さに影響してきます。
4mmピッチが一番一般的なピッチで、他には6mmピッチを選ぶ人も多いようです。
例えば、こちらはピッチが4mmの菱目打ちです。
菱目打ちの刃先同士の間隔が、4mmになっているのが分かりますね。
私は、この4mmピッチの見た目が好きなので、いつも4mmで製作しています。
ピッチが6mmになると、もっと刃先同士の間隔が広くなることになります。
穴の間隔が拡がるということは、縫い目(ステッチ)の見た目にも影響があるということです。
4mmピッチの穴と、6mmピッチの穴で縫ったものを比べてみましょう。
もう少し分かりやすいように、4mmピッチで作ったキーケースも並べてみましょう。
6mmピッチに置き換えた場合、けっこう印象が変わることが想像できると思います。
ピッチが狭いほど縫う回数が増えますが、カッチリした印象を与えます。
ピッチが広いと、縫い目の幅が大きくなるので、ステッチの主張も強くなります。
ピッチのサイズは好みでOK!
こだわりが無ければ、4mmもしくは6mmピッチを選ぼう!
ピッチの表記がバラバラな件
菱目打ちのピッチの表記の仕方は、実はメーカーによってバラバラになっています。
これが結構まぎらわしいので、説明しておきます。
ピッチのサイズ表記のされ方①
先ほど、上で紹介した方法です。
刃先から刃先までの距離をピッチと呼んでいるパターンです。
これが一番多い表記のされ方だと思います。
国内メーカーでは、SEIWAや協進エルはこの方法で表記しています。
個人的にはこのパターンが一番分かりやすいと思っています。
ピッチが4mmなら、縫い目も4mmなると一発で分かるからです。
ピッチのサイズ表記のされ方②
こちらの場合は、刃と刃の間の間隔をピッチとして呼んでいるパターンです。
この場合だと、ピッチは2mmと表記されます。
国内メーカーでは、クラフト社の場合のピッチ表記の仕方がこれになってますね。
2mm幅(4mmピッチ)と書いてある場合は、刃幅が2mmで縫い目の幅は4mmとなります。
刃幅が2mmなら縫い目も2mmですが、クラフト社の場合は刃幅もいくつか種類があります。
3mm幅(6mmピッチ)などもあるので、選ぶ時は間違えないように良く見た方が良いでしょう。
ピッチのサイズ表記のされ方③
菱目打ちを探してたら、こんな表記のされ方も見つけました。
刃幅=刃と刃の間の距離で作られているなら、単純に2倍すれば縫い目の長さは分かります。
でも、それがイコールじゃなかったら、縫い目の長さはどうなるのでしょうか?
選ぶ時はちょっと混乱する気もしますね(^_^;)
とはいえ、実際の縫い目を見本として出ていることが多いので、それを参考にすれば良いでしょう。
基本的には『刃先と刃先の間の距離=縫い目の長さ』と考えるとシンプル。
但し、大きい刃幅で開けた穴に、極端に細い糸を使った場合は別。
この場合、縫い目が短くなり、穴の大きさが目立つ仕上がりになったりする。
菱目打ちの『目数』とは
『目数』とは、菱目打ち1本に対する刃の数のことを言います。
主に1本目、2本目、4本目などが使われるのですが、それぞれの用途があります。
目数別の用途
- 1本目=辻褄合わせ
- 2本目=カーブ等
- 4本目以上=直線
3種類とも良く使うので、用意することをおすすめします。
1本目では連続した穴をまっすぐ開けるのは容易ではないですし、4本目ではカーブはできません。
1本目もあった方が良いですね。もしくは菱ギリを用意しましょう。
どうしても菱目の辻褄を合わせる時が来ると思うので、無いと苦労します。
また、中には6本目や10本目などもありますが、それは4本目の代わりとなります。
目数が多いと、直線を一気に真っすぐ綺麗に開けることができるので便利です。
それぞれの詳しい使い方については、以下の記事をご参照ください。
1本目、2本目、4本目以上の菱目打ちは用意しておこう!
菱目打ちの『柄の形』とは
菱目打ちの柄の形は、円柱タイプか、角柱タイプの2種類です。
円柱タイプの方が持ちやすいとか言われますが、これは好みですね。
私の場合は、ずっと角柱タイプでやってるので、もはや角柱の方がやりやすいと感じます。
あと、ヘッドと呼ばれるハンマーで打つ部分が、打ちやすい形状になっているかもポイントです。
とはいえ、高級な菱目打ちでもない限り、形状はどれも似たり寄ったりではあります。
ヘッドが小さいとか、丸まってて極端に打ちにくそうなモノは、なるべく避ける方が良いでしょう。
ちなみに、見た目が良くなるからか、高級な菱目打ちは角柱タイプのものが多いです。
柄の形に関しては好み。
特にこだわりが無ければ、格好良さで選ぶのも一つのポイント!
菱目打ちの選び方【価格編】
ここまでで、菱目打ちを選ぶポイントは抑えられたと思います。
あとは、どのくらいの価格帯の菱目打ちを買うかを決めておきましょう。
狙う価格帯によって、候補となるメーカーやお店も決まってくるので、探しやすくなると思います。
これは調べると分かりますが、菱目打ちは、大まかに以下の3種類の価格帯に分かれています。
菱目打ちの4本あたりの価格
- 低品質:700~2,000円
- 一 般:3,500~5,000円
- 高品質:28,000円以上
菱目打ちは4本セットで売られていることが多いので、4本の場合の価格帯で書いています。
先ほど『目数』の項目でも紹介した通り、菱目打ちは最低でも3本揃えると良いですね。
『一般』は、何をもって『一般』って呼んでるの?
それは、国内の有名なレザークラフト道具のメーカーが設定する価格帯がこの辺りだからです。
ここで言う有名なメーカーというのは、クラフト社、協進エル、SEIWAなどのことです。
手芸店などで取り扱われているのは、主にこのメーカーで、趣味で始める人にも優しい価格帯です。
おすすめは一般レベルの菱目打ち
初心者の方が菱目打ちを選ぶなら、4本で3,500円~4,000円の一般的な価格帯がおすすめです。
ただ、『一般』という言葉は、誤解も生まれてしまい兼ねませんので、補足させていただきます。
上記の国内メーカーの道具や、これからおすすめする菱目打ちは、品質も申し分ありません。
そのコスパの高さから、プロでも愛用している人は多くいらっしゃいます。
国内有名メーカーの菱目打ち
例えば、このクラフト社の菱目打ちは、切れ味が良く、柄が丸くて使いやすいと評判です。
バラで購入することができ、4本目の菱目打ちなら1本935円ほどの手頃な価格。
もちろん1本目や2本目の物もあるので、この菱目打ちで揃えるのも良いでしょう。
ちなみに、円柱の持ち手の部分には、滑り止めのギザギザが掘られています。
これは使いやすいと、定評のある菱目打ちですのでおすすめです。
おすすめの菱目打ち
特に、私がおすすめしているのは、この「Active Island」の菱目打ち4本セットです。
金額は4,200円くらいで、ピッチも以下の3種類から選べます。
選べるピッチと参考価格
- 3mmピッチ = 4,180円
- 4mmピッチ = 4,180円
- 6mmピッチ = 4,580円
この製品では、刃先から刃先までの距離をピッチと呼んでいます。
この菱目打ちは、ハイス鋼という金属で作られているようですね。
金属の専門外ですが、ハイス鋼というのは硬い金属なのだそうです。
実際、Active Islandの菱目打ちは1年以上使っていますが、切れ味や耐久性も申し分ありません。
丈夫で使いやすく、とてもコスパの良い菱目打ちだと思いますよ。
ひとつだけ、見た目上の注意点があります。
上の実物と商品画像を比べてもらえば分かるかと思いますが、商品写真ほど、全体が鏡面になっている訳ではありませんので、購入時はそこだけご注意ください。
でも、実際に活用する刃先の部分は、鏡面に近い仕上げになっていますのでご安心を。
刃がツルツルしているので、革から引き抜く時も、引っ掛からずにスルッと抜けます。
低品質の菱目打ちはオススメしない
綺麗な作品を作りたいのであれば、低品質な菱目打ちは避けましょう。
なぜなら、こんな弊害があるからです。
低品質道具の弊害
- 切れ味が悪く穴が開けにくい
- 叩く回数が増える
- 刃がズレやすい
- 刃を抜く時に革を痛めやすい
- 道具の耐久性が低い
穴がズレたり、革を痛めたりするのは、作品に影響が出ることは言うまでも有りません。
更に、なかなか穴が開かなかったり、抜くのに苦労するので、時間も掛かってしまいます。
以前に、低品質の菱目打ちと、おすすめのActive Islandの菱目打ちを徹底比較しました。
もう少し違いを詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参考ください。
高品質な菱目打ちの【例】
当たり前ですが、値段が高くなるほど道具の質は良くなっていきます。
道具の質とは主に、切れ味や耐久性、それに見た目や扱いやすさ等のことです。
例えば、この「YorkShine」というメーカーの菱目打ちは、2本で23,800円です。
高くても買われる理由を持ち合わせた菱目打ちであることは、間違いありません。
ですが、初心者の方が最初に買う道具としては、高価過ぎて価格的に抵抗があると思います。
レザークラフトを楽しむには、一般レベルの菱目打ちでも充分過ぎるほどです。
高価な道具は、レザークラフトにのめり込んだ時に購入を検討するのが良いかと思います。
ちなみに、YorkShineはダイス鋼という金属で作られているようです。
Active Islandはハイス鋼だという話をしましたが、意外にもハイス鋼の方が硬いようです。
菱目打ちの場合、金属が硬ければ硬いほど良いのかと言われると疑問は残りますが、変形のリスクだけを見ればActive Islandの菱目打ちの方が優れているのかもしれません。
そもそも、そんなに変形するものでもないので、あまり気にする必要はないですけどね(^_^;)
【まとめ】菱目打ちの選び方
菱目打ちを、形状と価格帯から選ぶポイントについてご紹介しました。
菱目打ち選びのポイント
- 刃幅は2mm
- ピッチは4mm or 6mm
- 1・2・4本目以上を各1本ずつ
- 柄の形は好みで
- 低品質は避ける
でも、選ぶのが大変だし、時間が惜しい・・・。
使い心地のレビューとかがあると安心なんだけど。
そんな方にも、この菱目打ちがオススメです。
上記の選ぶポイントは全て満たしてますし、使いやすくて良いですよ。
細かいレビューは、以下の記事で紹介していますので、ぜひご参考くださいね。