レザークラフトに用いられる革には、牛革以外にも様々な種類があります。
豚、鹿、馬、ヒツジや、少し変わったところで「ヘビ」「ワニ」などが良く使われます。
この記事では、レザークラフトで使われ鵜革を15種類、写真付きでご紹介します。
レザークラフトの革素材 6種類
まずは、一般的に良く普及している革を、6種類ご紹介します。
牛革
ご存じ、牛革。見た目、機能性、加工のしやすさ、強度、耐久性が優れている万能な革です。食肉加工の副産物であるため供給が安定しており、手に入り易いなどの理由からレザークラフトに最適で最もポピュラーな革です。同じ牛革でも部位やなめし処理(革の加工方法)によって様々な特性をもったものがあります。月齢や性別、出産の有無で細かく分類されているのも特徴のひとつです。また、全般的に大判の革になること、革が厚く、なおかつ繊維組織が比較的均一で使いやすい革となっています。
牛革については、他の記事でもご紹介しています。
なめしの違いや、部位の違いなど、気になる方はこちらもご参考ください。
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豚革
個人的にあまりなじみが無かったのですが、豚革はカバンや靴の内張などに良く使われている革です。牛革と異なるのは独特の「シボ」がある点です。シボとは、革の表面にある立体的なシワ模様のことです。シボが細かいと上品な仕上がりに見えて、シボが荒いと主張の強い仕上がりに見えます。また、毛が3本ずつまとまって全皮厚を貫通していることから、通気性に優れています。なんとなく想像しやすいと思いますが、革が薄くて軽くて摩耗に強いので、靴のライニング部(裏革)に良く使われています。
馬革
一般的には牛と比べると厚みや強度は強くありません。しかし柔軟性が高いため、ジャケットやソファーの革などに使用されます。毛穴数も少ないため、銀面が滑らかなのも特徴です。コードバンというとても希少価値が高い農耕馬のお尻から取れる革があり、美しく強靭なことから革のダイヤモンドと呼ばれ、お財布などの革小物に使われる人気の高い革となっています。
ゴートシュリンク(山羊革)
独特の風合いのシボを持ち、ボリューム感としなやかさに優れた革。高級感のある作品になります。摩耗性も強い革です。子山羊はキッドと呼ばれます。
シープ(羊革)
きめが細かくてなめらかな手触り。やわらかい素材なので衣料品などにも使用されます。また薄手で十分な強度も持ち合わせているため、バッグなどにも使用されることが多いです。子羊はラムと呼ばれます。
余談ですが、山羊と羊の革を比べると、山羊革の方が丈夫です。
生前の山羊は、ガケのある山で過ごすことが多く、それだけ身体を使っているので革も丈夫になります。
逆に、羊はまったり(のほほん)と過ごしているので、革が柔らかめになるようです。
エルクスキン(鹿革)
濡れても変形しづらく、耐久性が高いという特徴を持つ革です。革は柔軟でやわらかいので、手袋や衣類などに良く使われます。素材の風合いを生かした作品に最適です。近くの手芸店で販売されているのを見たため、山羊などと比べるとそこそこ流通している印象です。ただし、表面に傷が多く、銀面はのぞいて使われることが多いです。代表的な革がセーム革と呼ばれます。
エキゾチックレザー 9種類
エキゾチックレザーとは、特に変わった風合いを持つ革のことです。
こちらも、レザークラフトに使われますが、手に入りづらく貴重な革になります。
パイソン(ヘビ)
強烈なインパクトのある模様をした革です。ヘビ革の財布とかベルトで結構みますよね。革は薄手なので、他の革に貼り合わせて使用します。ダイヤの形が連続的な模様になっているダイヤモンドパイソンと、不規則な図形模様があるモラレスパイソンがポピュラーです。
クロコダイル(ワニ)
爬虫類皮革の代表的な革です。デコボコとした固いウロコ。腹部の四角形と横っ腹の丸くて細かい独特のウロコが特徴の革です。こちらもワニ革の財布などで有名ですが、希少価値が高く高価です。見た目のインパクトがとても強いですよね!ワニの革はお腹周りの幅が何cmかで価格が決められます(全長ではない)。
ワニは、生物学的に3種類に分類されています。
ワニの種類
- クロコダイル
- アリゲーター
- カイマン(石ワニ)
上記の中で、クロコダイル革と表現できるのは、「クロコダイル」と「アリゲーター」だけです。
カイマンは小さいワニなので、クロコダイル革と呼ぶには過剰表現となるため、法的に呼べません。
最近はワニ肉も食べられる機会が増えたようで、その副産物として革が採取されます。
またワニ革に限ったことではありませんが、ワシントン条約により革の採取のための乱獲が規制され、絶滅に至らないよう管理されています。
そんな中、実はワニは養殖されていて、生まれた時から尻尾に管理タグをつけられます。
今、日本の市場に出回っているワニの革は、全て管理されたワニという事になります。
写真のピンク色がワニの尻尾の革で、管理タグが付けられているのが分かりますね。
リザード(トカゲ)
爬虫類ならではのシワシワ、ボツボツの模様が特徴の革です。背中の部分に美しく並ぶ丸い粒々のウロコが人気を呼んでいます。中でもリングマークトカゲと呼ばれる背中に輪状、点状の斑紋が並んでいるものが代表格とされている。トカゲは地球上に3000種類以上いるそうですが、革として使用できるのはその内のわずかしかおらず、高価な革となっています。トカゲの場合はデシ単価ではなく、1枚いくらで価格が設定されます。
ちなみに、ワニやトカゲの革は、背中から割いたものと、お腹から割いたものがあります。
なぜなら、切り方によって革の表情(ウロコ)が変わるからです。(背ワニより肚ワニの方が高価)
反対に、牛や羊などの場合は、必ずお腹から切る形になります。
カエル
カエルです。カエル独特の模様を活かして使用されます。ヘビ革と同様に革が薄く、サイズも小さいので、他の革と貼り合わせて使用します。
オーストリッチ(ダチョウ)
クイルマークと呼ばれる、ダチョウの毛穴がつくりだす無数の穴模様が特徴の革。オーストレッグというダチョウの足の革もあり、表面の質感を活かしてアクセントとして使用するのが一般的な使い方となっています。柔軟性もあり強くて丈夫です。クイルマークがある部分は、現在のところデシ単価500円程度の、高級革となっています。
サメ革
サメ肌の所以である楯鱗(じゅんりん)と呼ばれる固い表皮に特徴がある革です。頭から尻尾に向けて細かい連続した網目状の凹凸があります。価格は、デシ単価200円くらいが現在の相場になっているようです。
スティングレー(エイ)
ビーズのような細かい粒子模様が特徴の革です。背部の中ほどに真珠様の”石”が並んでいて、お財布のアクセントなどに使われています。こちらもサイズがそれほど大きくないので、他の革と貼り合わせて使用するのが一般的です。
アザラシ・オットセイ
シールスキンと呼ばれている海獣の革です。毛皮としての利用と、脱毛後の皮革としても需要があります。頭部から尾にかけて独特の波状の畝(うね)模様が特徴となっています。厚みもあり丈夫です。
うさぎ革
ラビットファー(エキゾチックレザーと呼ばれるかは不明)。ウサギの毛でモコモコな革です。1匹分では小さいので何匹分かの革をつなぎ合わせて使用されます。(ウサギも食肉として流通があるので、この革もその副産物なのでしょうか?)私はウサギを飼っているせいか、少し悲しい気持ちになりますが、見た目はとっても可愛くてオシャレです。
レザークラフトの素材は種類豊富!
『始めて見た!』という革も、結構あったのではないでしょうか。
革製品のお店で「お、これサメ革の財布だ」などと、気づきがあると楽しくなりますね!
まとめ
- 革によって表情、耐久性などの違いがある。
- いろんな革が使えると作品の幅が広がる。
- 素材の特徴を活かした作品づくりは、クラフターの醍醐味!
どんな革でも、今の時代はネット通販で手に入れることができます。
エキゾチックレザーも結構取り扱いがあるので、好みの革があったら探してみましょう。
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