レザークラフトには『ギボシ』と呼ばれる革を留めるのに役立つ金具があります。
ホックと比べても簡単に付けられるため、ハンドメイドで活躍する場面も多いですよね。
本記事でご紹介する、ギボシに合う穴のサイズを判断する知識があれば充分です。
必要な道具や手順もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
レザークラフトで使う『ギボシ』とは
まず、ギボシとはこのような金具です。
上の出っ張った部分を『頭』、その下の円柱部分は『くびれ』と呼ばれます。
穴のサイズを説明する時にこの名称を使うので、軽く覚えておきましょう。
今回ご紹介するのは、このネジ式のギボシの付け方になります。
ネジの部分を外すと、このように2つに分かれます。
ネジ式以外にも、打ち込み式のギボシという物も有ります。
名前の通り、打ち具を使って取り付けるのですが、道具が増えコツも必要になります。
その点、ネジ式のギボシは取り付けがとても簡単です。
デメリットとしては、使用し続けているとネジが緩んでくるという点ですね。
但し、これはネジを絞める際に強力なボンドを使えば対処可能です。
ギボシの付け方・取り付け手順の紹介
では早速、ギボシの取り付け方を見ていきましょう。
今回は頭5mm、くびれ3.6mmのギボシを使用して説明していきます。
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1穴を開ける
まずは、ギボシを取り付けるための穴を開けます。
ギボシのネジ山部分は、直径2.4mm程だったので、ハトメ抜き8号で穴を開けました。
写真のように、穴を開けたところに金具を通し、後はネジを締めるだけです。
ネジが緩むのが心配であれば、ネジ山にボンドを付けてから締めましょう。
これでギボシの取り付けは完了です。
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1ギボシを通す穴を作る
次に、ギボシを通す方の穴を開けていきましょう。
こんな感じです。
ハトメ抜きで穴を開け、ナイフやノミを使って切り込み線を入れます。
写真に記載しているサイズは、今回使用したギボシに合わせたサイズになります。
これでギボシが通るようになったので、取り付け完了です!
穴と切り込み線|サイズの決め方
ギボシが上手く機能するかどうかは、穴や切り込みのサイズ次第です。
穴が小さすぎても大きすぎても、綺麗に取り付けはできません。
ここで紹介するサイズの決め方をしっかり覚えておきましょう。
まずは、穴を拡大して見てみましょう。
一番大きい①の穴が『くびれ』と同じサイズになっていて、そこにギボシが落ち着きます。
②の切り込みは、くびれよりもサイズの大きい『頭』を通すために、穴を拡大する目的で入れます。
一番小さい③の穴は、ギボシを通す時のストレスで革が裂けないようにする穴です。
③のサイズに関しては、特段決まりはなく、好きなサイズで大丈夫です。
今回は1.8mm(ハトメ抜き6号)で開けていますが、もっと小さい穴でも大丈夫です。
穴を開ける順番は、①②③の順に行うと間違いが起きにくいです。
①の穴の外周部から5mmを測る時、穴が開いていた方が実測を取りやすいですよね。
①の穴|くびれ直径は確認必要?
先程、①の穴はくびれの直径と同じサイズの穴を開けるという話をしました。
ですが、くびれの直径サイズは商品情報に載っていないことが多いです。
大体が「頭=何mm」などの表示のされ方です。
もしくびれのサイズが確認できない場合は、実際に穴を開けて通してみるしかありません。
参考までに、くびれのサイズを確かめた時の写真を載せておきます。
このくらいかな?と思われるサイズの穴を、3つ開けて試してみました。
失敗例から見ていきましょう。
こちらは、穴が大き過ぎて、くびれに対してブカブカなのが分かりますよね。
穴のサイズが大きいと、当然ですがしっかり留まってくれません。
次に、穴が小さすぎる場合がこちら。
穴にくびれが納まらないため、めくれ上がってしまっていますよね。
切り込みの部分もしっかり閉じ切っておらず、見た目も綺麗になりません。
これは革に余計なストレスも掛かっています。
そして、こちらが穴とくびれのサイズがピッタリな状態です。
このように、初めて使うギボシでは、実際に穴を開けて試してみることをおすすめします。
実は、それぞれの穴のサイズは0.6mm違うだけなのですが、ここまで差が出てしまいます。
ぶっつけ本番だとリスク高めだという事が、お分かりいただけたのではないでしょうか。
とはいえ、頭のサイズに対してのくびれのサイズは、大体相場が決まっています。
良く使うサイズのハトメ抜きがあれば、おおよそカバー出来るので安心です。ご参考まで。
②の切り込み|長さの決め方
切り込みは、ギボシの頭の直径と同じ長さで入れるのが一般的です。
【①の穴】+【頭と同じ長さの切り込み】になるので、頭が通しやすくなりますよね。
ひとつ注意する点としては、革の厚みや柔らかさを考慮することです。
革が厚く固い程、ギボシの頭は通りにくくなります。
例えば、革が3mmなど厚めの場合は、切り込み線を1~2mm長くすると良いでしょう。
③の穴は必要な訳ではない
切れ込みの先に作る小さめの穴は、絶対に開けなければいけない訳ではありません。
なくてもギボシを使うことは可能です。
ですが、見た目と強度のUPに繋がりますので、出来れば開けましょう。
革の切れ目に負荷が掛かると裂けてしまうのは想像できるかと思います。
切れ目の端に穴を開け丸くしておくことで、負荷が分散されます。
ギボシ取り付け方【まとめ】
ギボシの取り付け手順と、コツをご紹介しました。
打ち具なども必要ないので、使う道具も少なくてお手軽ですよね。
まとめ
- ハトメ抜きがあればOK!
- 穴と切り込みのサイズが大事!
- コツを抑えれば綺麗に長持ち!
ギボシの使いどころは、バネホックと大体同じなので、どちらを使うか迷う時もあります。
もしもバネホックの取り付けが苦手なら、失敗しにくいギボシは重宝するかと思います。
中にはギボシの方が雰囲気が合う作品もありますし、試しに使ってみてくださいね。